「バイナンスの現物グリッド取引に興味があるけれど、どんな仕組みなのかわからない…」
「どうやって使えばいいのかわからない…」
このような悩みを持っている方も少なからずいると思います。
バイナンスの現物グリッド取引は、一定の価格帯で自動売買を行うことで、相場の上下動を活用して利益を狙う手法です。
初心者でも設定さえすれば、ボットが自動で取引を行うため、裁量取引(自分で操作する取引)よりも心理的な負担が少ないのが特徴です。
そこで、この記事ではバイナンスのグリッド取引の仕組みや使い方について、 初心者でもスムーズに取引が始められるように詳しく説明します!是非最後まで読んでください。
- 現物グリッド取引の仕組み
- バイナンスの現物グリッドの使い方
- メリット・デメリット
- 運用する際の注意点
現物グリッドとは?

現物グリッド取引は、現物(所有している暗号資産)を使った自動取引(ボット)の一つで、設定した価格の範囲内で自動的に売買注文を行う手法です。
取引を行う価格範囲を決めて、その範囲内で安く買い、高く売ることを繰り返して、利益を得ます。

現物グリッドのメリットとデメリット
- メリット
-
- 自動化:ボットが自動で取引するため、24時間市場を監視する必要がなく、取引の負担を軽減できる
- ボラティリティの活用:市場の価格変動を利用して、安く買い、高く売るため、ボラティリティの高い市場でも利益を得られる
- 初心者向け:設定が比較的簡単で、初心者でも扱いやすく、AIを活用した設定支援も利用可能
- デメリット
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- 一方的な市場状況に弱い:市場が一方向に動く場合、特に下降トレンドでは損失を被る可能性がある
- 利益の限界:設定した価格範囲外に出ると取引がストップしてしまうため、利益を逃すことがあり、ボットを売却しないと資金が拘束されたままになる
- リスク管理の必要性:ボットによる自動取引のため、適切なリスク管理が行われていないと、予期しない損失を被る可能性がある
現物グリッドは、ボラティリティの高い暗号資産市場において、効率的に利益を上げる手段として広く利用されていますが、リスクを理解し、適切な設定を行うことが重要です。
バイナンスの現物グリッドの始め方

バイナンスの「現物グリッド」を始める手順は次のとおりです。
- 口座開設して日本円を入金
- 日本円で暗号資産を購入
- 「ボットの作成方法」を選ぶ(AI・人気・手動)
- 「通貨ペア」を選択
- 以下、選択したボットの作成方法によって作成手順が異なる
- 「AI」
- レンジを選択して作成(短期・短~中期・中期・長期)
- 投資金額を入力
- 詳細設定(利確・損切など)
- 現物グリッド作成(後は作成したボットが自動で取引してくれる)
- 「人気」(最初はこれがおすすめ)
- 既存の「現物グリッド」を選択して作成
- 投資金額を入力
- 詳細設定(利確・損切など)
- 現物グリッド作成(後は作成したボットが自動で取引してくれる)
- 「手動」
- 値幅を入力(下限価格・上限価格)
- グリッド数を入力(一定間隔・等比)
- 投資金額を入力
- 詳細設定(利確・損切など)
- 現物グリッド作成(後は作成したボットが自動で取引してくれる)
- 「AI」
現物グリッドの3つの作成方法「ボット作成方法」
バイナンスの現物グリッド取引を作成する方法には、以下の3つの方法があります。
- 「AI」
-
「AI」では、市場データを分析し、最適なグリッド戦略を提案してくれます。
投資金額や取引ペアを設定するだけで、AIが自動的にグリッドを構築してくれるので便利です。
- 「人気」
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「人気」では、他のトレーダーが使用している現物グリッドを利用できます。
他のトレーダーの実績を活用できるので、自分で1から作成しなくてよいのがメリットです。
- 「手動」
-
「手動」では、自分でグリッドのパラメーターを設定します。
効率のよいパラメーターの指定が難しいのですが、より細かい制御が可能です。
最初は、自分の持っている暗号資産で作成できる通貨ペアを「人気」で探しましょう。
慣れてきたら「AI」を使って作成したものを「手動」で編集する方法がおすすめです。

「人気」では、利益が出ているボットを選ぼう!
「通貨ペア」について
「通貨ペア」とは、売買を行う暗号資産のペアのことです。
「SOL/BTC」ペアであれば、BTC(ビットコイン)が決済通貨(通貨ペアの右の通貨)になり、BTCを使ってSOL(ソラナ)を購入し、価格が上がったらSOLを売却してBTCに戻すという意味です。


決済通貨を保有していれば、「通貨ペア」の現物グリッドを作成できます。
例えば「BNB/ETH」ペアの現物グリッドを作成しようとした場合、「ETH」を持っている必要があります(BNBを持っていても作成できません)。
持っていなければ、購入して「決済通貨」を保有する必要があります。
なお、日本円のペア(BTC/JPYなど)はありません。また、バイナンスジャパンで上場していない暗号資産のペア(BTC/USDTなど)も作成できません。
「値幅」について
「値幅」は、現物グリッドで売買を実行する範囲のことで、下記の2つを設定します。
- 下限価格:値幅の一番下の価格
- 上限価格:値幅の一番上の価格
もし、下限価格・上限価格を超えた場合、ボットは取引注文をしなくなります。ただし、価格が指定の範囲の戻ってくると、また取引注文をはじめます。
値幅を広くすると、必要な投資金額が増えます。
また、グリッド数を増やさないと取引がまったく行われないボットになってしまうので注意が必要です。
値幅を狭くすると、一方向にしか進まないボットになってしまう可能性があります。つまり、「購入のみ」、または「売却のみ」といったボットになってしまう可能性があります。
適度な範囲指定が必要です。
「グリッド数」について
「値幅」を均等に分割するための「分割数」のことです。
下記の2つの方法から分割方法を選択できます。
- 一定間隔:「値幅」を売買価格で等分する
- 等比:「値幅」を比率で等分する
グリッド数と「投資金額」、「取引回数」、「1回の売買で得られる利益」には以下の関係があります。
項目 | グリッド数が「多い」 | グリッド数が「少ない」 |
---|---|---|
投資金額 | 多く必要 | 比較的少ない |
取引回数(売買回数) | 多くなる | 少ない |
1回の売買で得られる利益 | 少ない | 多い |
グリッド数が多いほど資金が必要になり、取引回数は多くなりますが、一回のグリッドの売買で得られる利益は小さくなります。
グリッド数が少なければ、資金はそれほど必要なく、取引回数は減りますが、一回の利益は大きくなります。
グリッド数が少ないと取引が実行されないため、多め(30以上)の方がいいです。
参考までに「AI」では、以下の利益率になるようにグリッド数が調整されています。
運用期間 | 利益率 |
---|---|
短期(3~7日間) | 0.13~0.16% |
短~中期(7~30日間) | 0.26~0.37% |
中期(1~2カ月間) | 0.42~0.75% |
長期(3~6カ月間) | 1.15~3.69% |
「投資金額」について
「投資金額」は、「値幅」と「グリッド数」に応じて設定されます。
また、アドバンス(オプション)の「トレーリングアップ」を設定すると通常よりも多めに資金が必要になります。
「詳細のアドバンス(オプション)」について
詳細設定の「アドバンス(オプション)」では下記の設定ができます。
- ① トレーリングアップ
-
取引ボットが市場価格の上昇に応じてグリッドを1ステップ上方に調整する機能です。ただし、グリッドが追従できる上限価格があります(無限に上げられるわけではない)。
「手動」の時に設定できます(AIや人気では変更できません)。
- ② グリッドトリガー
-
取引ボットが自動的に取引を開始する価格を指定します。
通常は、現物グリッドを作成したタイミングで、すぐに最初の購入が実行されて、待機状態になります。
- ③ ストップトリガー
-
取引ボットがストップトリガーで設定した価格になった時に取引ボットを停止する(値幅にかえってきても起動しません)。
- ストップロス:値幅の「下限価格」より下の価格で設定する
- テイクプロフィット:値幅の「上限価格」より上の価格で設定する
- ④ すべての「通貨」をストップ価格で売却
-
チェックを入れている場合(enabled)、取引ボットが停止した時に、基軸通貨(左側の暗号資産)を全て売却して、決済通貨(右側の暗号資産)で受け取ります。
チェックを入れていない場合(disabled)、基軸通貨(左側の暗号資産)は売却されずにそのままウォレットに戻されます。
バイナンスの現物グリッドを使うための事前準備


バイナンスで現物グリッド取引を行うには、暗号資産取引口座の開設と入金が必要です。
新規入会キャンペーンはやっていませんが、「友達招待キャンペーン」を使えば1,800円(日本円)もらえるので、それで暗号資産を購入すれば、現物グリッドができます。
まだ口座を持っていない方は先に口座開設をしましょう!


必要に応じて、日本円を入金しておきましょう!


バイナンス現物グリッド:「人気」から作成する方法


バイナンスの現物グリッド(人気)を使った始め方を解説します!
「人気」は、他人が作成したボットをコピーして利用する方法です。
現物グリッドで作成するボットを探す
バイナンスアプリを開いて画面下の「取引」をタップ。


次に画面上の「ボット」をタップ。


取引ボット画面が表示されたら「現物グリッド」をタップ。


画面上から「現物グリッド」を選択し「人気」をタップ。
さらに、「シンボル」をタップして「通貨ペア」一覧を表示させます。


自分がもっている暗号資産のシンボルで検索します。
人気の通貨(BTC、BNB、ETH、XRPなど)であれば、作成済みの取引ボットが見つかりやすいです。
不人気な通貨だと、シンボルが表示されていても、取引ボットが存在しないことがあります。


選択した通貨ペアの取引ボットが表示されるので、利益を上げているボットを探します。
取引ボットを探す時のコツ
- 損益で利益が出ている取引ボットを探す
- 通貨ペアの値動きが、上昇気味またはボックスの通貨を選ぶ
- 下降トレンドの通貨はやめる(購入ばかりで売却ができないため)
- 「実行期間」が短いものを選ぶ
- 「発動した取引回数(24時間)」が多いものを選ぶ
- 「最小投資数量」が持っている資産範囲内のものを選ぶ





取引ボットを選んだら、次はそのボットを作成する!
現物グリッドでボットを作成する方法
取引ボットの状況を確認して、よさそうであれば「作成」をタップ。


通過ペアのトレンドを確認して問題なさそうであれば、作成をタップ。
- 通貨ペアが、上昇トレンドまたはボックスの通貨を選ぶ
- 下降トレンドの通貨はやめる(購入ばかりで売却ができないため)


投資金額の最小数量を満たさないと作成できません。
最小数量は、投資金額入力欄に表示されています(資金を入力すると隠れて消えます)。
スライドを右にずらすか、数量を入力して投資金額を入力してください。


前の画面で「詳細」をタップすると「アドバンス(オプション)」の設定画面が開きます。
必要に応じてストップトリガーなどを設定して、作成をタップ。
念のために「すべての[暗号資産シンボル]をストップ価格で売却」にはチェックを入れておいた方がいいかもしれません。ただし、「下限価格」を下回ると損失が確定します。


設定した取引ボット内容が表示されるので「確認」をタップ。


「ボットが正常に作成されました。」と表示されれば完了です。
詳細確認をタップすると、設定した内容を表示できます。
- 「グリッドトリガー」を設定していない場合、現在価格で最初の購入が自動実行される
- 「基軸通貨」の初期購入が行われる
- 「ボット作成手数料」が徴収される


オーダーの詳細画面では、「損益」、「未約定注文」、「取引履歴」、「詳細」をスワイプで切り替えることができます。


現物グリッドの取引ボットを強制終了させる方法
現物グリッドの取引ボットは、「アドバンスド(オプション)」で「ストップトリガー」や「ストップ価格で売却」を設定しない場合、「値幅」の範囲内であればずっと起動したままになります。
利益がある程度でてきて十分だと思った場合は、強制的に「終了」させることができます。
バイナンスアプリを開いて、画面下の「取引」を選択し、画面上の「ボット」をタップ。


取引ボット一覧画面が表示されるので「取引中」と書かれたボタンをタップ。


終了させたい取引ボットの「終了」をタップ。


終了方法を選択して「確認」をタップすれば、ボットが終了します。
終了方法は下記の2つあり、内容は以下のとおりです。
- 「はい、売却に協力してください」
-
基軸通貨(左側の暗号資産)を全て売却して、決済通貨(右側の暗号資産)で受け取ります。
- 「いいえ、自分で処理します」
-
基軸通貨(左側の暗号資産)は売却されずにそのままウォレットに戻されます。


バイナンスの現物グリッドの収益状況を確認する方法


現物グリッドの画面の見かた
取引ボット一覧を表示させて、詳細を確認したい通貨ペアをタップ


「既存オーダーの詳細画面」が表示されます。


「既存オーダーの詳細画面」には「損益」、「未約定注文」、「取引履歴」、「詳細」の4つがあり、スワイプして切り替えることができます。
各画面の見かたを解説します。
損益:取引ボットの利益を確認
取引ボットの「損益」を確認できます。
項目 | 詳細 |
---|---|
合計利益 | グリッド利益と市場連動利益を合計したもの |
グリッド利益 | グリッド取引の売買で得た利益 ※グリッド利益はプラスになります |
市場連動利益 | 「基軸通貨・決済通貨」の価格変動を含めた利益 |
現物グリッドは、購入価格よりも上の価格にならないと売却できないので、「グリッド利益」はプラスにしかならないです。
「市場連動利益」は、「現在の暗号資産の価値」から「ボット作成時の暗号資産の価値」を引いた利益です。そのため、暗号資産の価格変動による利益です。そのため、マイナスになることもあります。


未約定注文:取引ボットが実行予定の売買注文
取引ボットの「未約定注文」を確認できます。
まだ、実行されていない注文の一覧です。


取引履歴:取引ボットが実行した取引一覧
取引ボットの「取引履歴」を確認できます。
購入と売却が完了した取引や、購入だけ(売却が未実行)の取引も表示されます。
購入だけの取引の場合、「指値売り」は表示されません。
項目 | 詳細 |
---|---|
利益 | 売買による利益 ※購入と売却が完了した取引に表示される |
平均価格 | ・基軸通貨を購入した時の価格(左側/指定買い) ・基軸通貨を売却した時の価格(右側/指定売り) |
手数料 | ・基軸通貨を購入した時の手数料(左側/指定買い) ・基軸通貨を売却した時の手数料(右側/指定売り) |


詳細:取引ボットの詳細
取引ボットの「詳細」を確認できます。
取引ボット作成時の詳細情報です。
項目 | 詳細 |
---|---|
数量/注文 | 1注文あたりの購入数量 |
利益/グリッド | 1注文あたりの利益率 ※グリッド数が多いほど利益率は小さくなる |
初期エントリー価格 | ボット作成時に購入した基軸通貨の購入価格 ※購入価格を決済通貨で表示 |
初期購入数 | ボット作成時に購入した基軸通貨の数量 ※各グリッドで通貨を購入するために初期購入する |
予約手数料 | ボット作成時の手数料 |


バイナンス現物グリッド:「AIから手動」で作成する方法


バイナンスの現物グリッドを「手動」で作成する時は、最初に「AI」を使うとパラメーターの設定がスムーズにできます。
「値幅」の設定が面倒なのですが、AIを使えばいい感じに設定してくれます。
それをふまえて、値幅、グリッド数などの各種パラメーターを設定すれば手間がかかりません。
やり方はこちら。
取引ボット画面で、現物グリッドをタップ。


現物グリッドが選択されているのを確認して、最初は「AI」を選択し、自分の作成したい「通貨ペア」を設定します。
作成したい「レンジ相場(短期・短期~中期など)」を選択して、「パラメーターをカスタマイズ」をタップ。


「AI」で作成したパラメーターを「手動」で変更できるようになるため、一からパラメーターを設定するのが面倒な場合にとても便利です。
アドバンス(オプション)で「トレーリングアップ」も選択できます。
パラメーターを設定したら作成をタップ。


内容確認画面が表示されるので、確認ボタンをタップ。


完了画面が表示されればボット作成完了です。
「手動」を使って簡単に取引ボットを作成できます。


現物グリッドの取引ボットを作成した感想


実際に「人気」や「手動」で、いくつか取引ボットを作成してみました。
「グリッド利益」はプラスですが、「暗号資産自体の価格変動」で総利益が減ることはあります。ただし、主要通貨であれば戻ってくる可能性が高いので、そこはこだわっていません。
例えば、下記のSOL/BTCペアの「グリッド利益」は、10日間程度の稼働で約996円(3/14時点)です。
1日約100円の利益になり、BNBレンディングよりも効率いいです。同じパターンで複数の取引ボットを作れば、倍の利益も可能になります(分散投資ではないのでリスクが高くなりますが…)。


実際にやってみて感じた注意点としては、下落トレンドではやらない方がいいということ。
売却タイミングがないため、現物を持っているのと同じになってしまいます。
また、「現物グリッド」なので売りから入ることはないはずですが、ショートで利益がでている取引(売りから入って、価格が下がったところで買うと利益がでる取引)がありました(良く分からない)…
まとめ


バイナンスの現物グリッド取引は、自動売買を活用して相場の変動を利益に変える便利な取引手法です。
初心者でも設定さえすれば、ボットが自動で取引を行うため、常に市場を見ている必要がなく、心理的負担が軽くなります。
- 現物グリッド取引の仕組み:設定した範囲内で自動的に売買を繰り返し、相場の上下動を活かす
- メリット:24時間取引が可能、初心者でも扱いやすい、ボラティリティを活用できる
- デメリット:市場が一方向に動くと不利、価格範囲外では取引がストップする
- 始め方:口座開設→通貨ペアの選択→取引ボットの作成
また、「AI」「人気」「手動」の3つの方法でボットを作成できるため、まずは「人気」で取引ボットを作成して、慣れてきたら「手動」でカスタマイズするのがおすすめです。
現物グリッド以外にも、低額でできる積立機能(シンプルアーン)もあるのでチェックしてみてください。


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